周波数の豆知識
202302.16
量子力学・量子物理学の概念
量子力学は、分子や原子、電子といった小さな世界の物理現象を記述する学問のことです。
「量子」とは、原子やそれを形作る電子、陽子、中性子、さらに小さなニュートリノやクォークなど
私たちの暮らす世界とは異なる法則が働く粒子のことです。
その法則は「量子力学」と呼ばれます。
私たちの体をはじめ、すべての物質は原子から成り立っていますが
実は身の周りは量子力学でなければ説明できないものばかりなのです。
肉眼では見ることのできない小さな世界の話ですが
私たちの暮らす世界の仕組みを表す最も基本的な方程式は
ニュートンの導き出した「ニュートンの運動方程式(ma=F)」で
意思のない「モノ」を扱います。
「モノ」の持つエネルギーと運動量から、ある時間がたったあとに
その「モノ」がどこに移動しているのかを記述するのが運動方程式です。
mは「モノ」の質量、aは速度の時間変化を示す加速度です。
しかし1900年に量子が発見され
原子の世界では、この方程式が成り立たなかったのです。
これが物理学における大問題でした。
物理学には、粒子性と波動性という概念があります。
粒子性の考え方は、運動方程式でものの動きを考えるとき
粒がここからここに動くというように、「モノ」を1つの粒として考えます。
波動性の考え方は、粒子や場の振動が伝播する現象を、波がどんなスピードで、どこを通過するのかを観測します。
過去に、光か、波か、粒子なのか?
この問いを巡って、大論争が起こり
はじめは波だとする主張が優勢でしたが、
1888年にヴィルヘルム・ハルヴァックスが「光電効果」という現象を発見し、
1905年には、アルベルト・アインシュタインが「光電効果理論」
を発表したことで物理学者たちの認識を大きく変えることとなりました。
光が波ならば、物体に光をぶつけると、すべての電子が同時に動くはずですが、
光を当てた物質から電子1つが飛び出した、という実験結果から、
光は粒子と波動、両方の性質を併せ持つということがわかりました。
そして波動性と粒子性を併せ持つ「量子」という概念が誕生しました。
万能だと思われていた運動方程式は、量子の世界では成り立たず、
1926年に提唱されたのが、エルヴィン・シュレディンガーの提案した「シュレディンガー方程式」です。
この方程式によって原子がどのようにふるまうかがわかるようになりました。